【DUCATIシングルの弱点とは、】
いきなりいやらしいビデオのタイトルみたいですみません。(笑)
DUCATIシングルは比較的丈夫なバイクじゃないかと思っていますが、そんな中でも弱点の一つにエキパイナットの入る部分のネジ山がダメになるというのがあります。
きちんと取り付けられた状態であれば問題は起きないのですが、たまたま緩んだ状態で走り続けたりすると痛めてしまうようです。
振動の出方やネジ山の状態、またエキパイナットとの相性などもあるようで、いずれにせよちょこちょこ気に掛けていただき、定期的にエキパイナットレンチで締めてもらうのが一番かもしれません。
エキゾースト・ガスケットも新しいものを使い、エキパイナットレンチでしっかりと締めてもらえれば心配無いのですが、それでも緩むようならヘッドにある穴とエキパイナットをワイヤーロックで留めていただければ問題ないでしょう。
とは言え、ヘッド側のネジ山の状態は常に気にしたい部分ではあります。
【もし、つぶれ気味だったらどうする?】
ここのネジ山がダメになっちゃうと排気漏れを起こすので、走行不可能になってしまいます。(涙)
股の下から入れ歯の抜けた婆ちゃんのような「フンガフンガ」聞こえてきたら要注意です。(笑)
はずれて無かったとしても、エキパイナットが斜めにねじ込まれてネジ山がつぶれたり、カーボンが谷の部分に挟まってたりもするので、そういう時にネジ山をほじくるものがあるといいのなあ~、と長年思っておりました。ワイヤーブラシをかけても、もうひとつ感はぬぐえなかったんです。
最悪、エキパイナットを一つつぶして、ネジ山部分に切れ目を入れ、それを簡易タップ替わりにすればいいか!と考えていたのですが、それももったいなくてなかなかできません。(セコイ?>笑い)
そうしましら、去年おじゃまさせていただいたDUNCANサイクルさんのブログにでっかいタップの写真が載っているではありゃしませんか!(増田さん、その節はお世話になりました。ありがとうございました)
まさか!そんな大きなタップがこの世の中に存在するなんて思ってもみませんので、強い衝撃を受けました!(笑)俺のほしかったものはこれだ!って。
で、こういう時のモノタロウさんで調べましたが、安くても1本3万円以上、とてもじゃないが手が出ません。そのお金があったら他のものに設備投資したいところです。(願)
【ついに見つけました!M48xP1.5】
定期的にヤフオクでも探していたのですが、出展されているのはピッチのでかいP2.0やP3.0、またP5.0などという凶器にしか見えないものもありましたが(笑)、なかなかP1.5にはお目にかかれません。
今回やっと中古工具を出展されているお店から入手することができました!(嬉)
さっそく、このぶっといヤツをあそこにねじ込んでやりましょう。(笑)
どやねん?どやねん?
うん、もうバッチリです。笑いが止まりません。(笑)
これはストックの350マーク3のヘッドにねじ込んでみたところですが、バッチリ入っていきます。ネジ山も引っかかりがありません。
はずしてみると、ネジ山の奥に溜まっていたカスもきれいに取れてます。
中古のタップなんで少し切れ味は落ちているかもしれませんが、必要があれば再研磨してもらえるので大丈夫でしょう。(以前、工業用刃物の再研磨をしている会社さんのWebサイトの仕事をしていたのでその辺詳しいんです)
さすがにネジ山が完全にダメになったものは別の方法をとるしかありません。
上記の写真は25年近く前にアメリカから送ってもらった450RTのヘッドですが、このヘッド、ネジ山が完全につぶれており、エキパイナットが全くひっかりもしない状態でした。(涙)
一応、クレームは入れておきましたが、それで直るわけではありません。(涙その2)
仕方がないので、いつも加工をお願いしている友人から直していただきました。
ネジ山の切られた方向を正確に出すのがやっかいだったらしく、専用の治具を作ってもらい、溶接の熱で歪まないように慎重にアルゴンで肉盛り、そして治具を旋盤に止めてネジ切りという気の遠くなるような作業をしていただきました。(作業工賃は新品のカムシャフトが買えるくらい高かったです。>涙)
おかげさまでエキパイナットを入れてもスゥっと入って行きます。
このヘッドのように重傷なら肉盛り+ネジ切りを考えなくてはいけませんが、軽傷なら薄くアルミロウ付けをして、そこにタップでネジを切っていく方法で何とかならんかと考えているわけです。
ストックしてあった中古ヘッドも念のため当ててみました。エキゾーストのネジ山はこれで一安心!ポンコツにならずに済みます。(笑)
そうすると誰かに人柱になっていただかないとですね!
【M48xP1.5のタップはこんな感じです】
この世のものとは思えないほどの大きさですので重量もかなりあります。
これで頭叩かれたら流血して大惨事になることでしょう。(笑)
外寸は間違いなく48ミリあります。
ネジ山のピッチは1.5ミリと、通常の10ミリのボルトと同じネジピッチです。(M10xP1.5)
故に特殊なサイズと言えますね。
ハンドルの嵌る部分も測ってみました。
なんと29ミリもあります!
値段も調べてみましたが、やはり3万円以上するようです。
ここは根性で素手で直接手回しにしましょう。(笑)
さて、反対にねじ込む方のエキパイナットですが、これはリプロのクロームメッキ仕上げの良い物が手に入ります。
が、一つ問題があって、ネジ部分のサイズにバラツキがあるようなんです。
今組んでいる450デスモヘッドはねじ込んでいくと途中できつくなる部分がありました。
デッドストックの純正品はスルスル入って行きます。
という事は、リプロ品の方はほんの気持ち太いようなんです。
その場合は上記の写真のようにネジやすりを掛けてあげてください。
これでスルッと入るようになります。
ネジやすりはいざって時に便利なので、1本持っておくといいですね!
値段も1本1500円くらいで買えるかと思います。
また、でかいタップの方はご希望の方にはレンタルできるようにしたいと思います。
これでダメならアルゴン肉盛り+ネジ切りの決心が付く事でしょう。(笑)
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
お役に立てれば、とても嬉しいです。