【べベルチューブとフランジ’(左は250用、右は350、450用)】

多くの人が悩まされているのが、ここべベルチューブとフランジの合わせ面からのオイル漏れではないでしょうか?

実は純正新品のOリングを使っても必ず漏れてきます。

それはなぜか?

答えは簡単です。

Oリングの内径がべベルチューブの差し込み部分より大きいからなんです。(驚き)

【べベルチューブの差し込み部分の拡大写真(振動のためか削れて段差ができてます)】

上の写真はべベルチューブのフランジへの差し込み部分を拡大したものですが、一部凹んでいるように見えるのがわかるでしょうか?

ここはフランジの一番上の部分と接触しており、そのためエンジンの振動によって削れてしまったようです。

その下に黒い筋のような跡がありますが、ここがOリングで固定されるようになってます。

実際にべベルチューブとフランジを測ってみますと、

【べベルチューブ側は31mm弱】

べベルチューブの差し込む側は31mm弱でした。

対して、フランジ側はというと、

【250用フランジです】

【350、450用フランジです】

いずれも31mm強、差はいくらもありませんから何ら問題はございません。

【純正ストックのOリングをべベルチューブにはめたみたところ。こんなに隙間が明いてたらダメじゃん(涙)】

では、実際にストックしていた純正のOリングをべベルチューブの差し込みに入れてみると、、、、。

ほれ、この通り。かなりの隙間ができてます。

これでは漏れて当然です。

対策方法としては、

適切なサイズのOリングに替えるのが一番です。

その場合のサイズは、内径30~31mm、線径(太さ)3.5mmくらいがいいでしょう。

ちなみに私の場合は水道用のOリングで内径29.7mm、線径3.5mmというものを見つけました。

少し小さめかもしれませんが、その方がきつく締まっていいでしょう。

材質はNBR(ニトリルゴム)なので、耐油性もあるかと思ったらNBR(ニトリルゴム)も成分によっていろいろな種類があるようです。

詳しくは下記サイトをご覧になってください。



交換方法は、

実際にべベルフランジのOリングを交換する場合、シリンダーヘッドごとはずす必要があります。

その手順は簡単に言うとこんな感じです。

1.圧縮上死点を出す

2.べベルギアの合いマークを確認

3.EXパイとキャブをはずす

4.ロッカーカバーをはずす

5.スタッドボルトを緩め、抜く

6.ヘッドを持ち上げ、べベルシャフトのカップリングをはずす

7.べベルフランジをクランクケースからはずし、Oリングを交換する

8.組み立てはこの逆に行う

こんな感じでやれるのですが、初めての方はちょっと不安になるかもしれませんね。

もし疑問や質問などがありましたら、「Contact」のページよりご連絡ください。

わかる事はその場で回答させていただきますし、即答できないものは少しお時間いただければ調べてお返事いたします。

※私が生まれて初めてヘッドをばらしたのは450マークⅢでした。ツーリング前にプラグのねじ穴つぶしちゃって仕方なくでしたが、なんとかなりました。エンジンがかかった時の嬉しさは今でも忘れません!

ヘッドをはずした際は、カーボンやオイルの付着の状況、できればバルブの当たり具合やガイドとステムのクリアランスなども確認してもらえるといいでしょう。

DUCATIシングルの場合、ガイドの摩耗やステムシールの硬化などの症状が出ている場合が多いですが、それは古いのでしょうがないのではなく、どちらも直すことが可能です。せっかくの機会ですので、今のうちに対処されることをお勧めします。

ご覧いただきありがとうございます。あなた様の大切なDUCATIシングルが調子よく走るのを願っております。


※エンジンパーツ(べベルギアセット、ピストン、リング、バルブ、バルブガイド、ロッカーアーム、カムシャフト等)の入手も可能です。

詳しくは下記リンク先ページのエンジン系を見ていただくか、エンジン系リスト(PDF)をダウンロードしてください。

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