
250系のプライマリーカバー及びクラッチを外したところです。
前から薄々感じていたのですが、アルミ製フライホイールの磁力が落ちてきてないでしょうか?
ご存じのようにDUCATIシングルは1975年を最後に製品としての出荷が終わっています。(一部その後もあったようですが、残ってた部品で組んだという話もあります)
現在は2026年ですので、どう考えても50年以上は経っていることになります。
DUCATIシングルで使われている発電機はAC交流出力のオルタネーターになっており、回転するフライホイールの磁石の磁力の強さによって出力が変わってきます。
そのフライホイールの内側には永久磁石が埋められており、その磁石が回転することで電気を発生させます。
永久磁石って言うくらいですから、この世の終わりまで磁力が保持されそうな感じがしますが、実際には時間と共に弱くなっていくようです。
DUCATIシングルではアルミ製と真鍮製の2種類のフライホイールが使われており、68年以降のワイドケースモデルに限れば250用がアルミ製、350、450用が真鍮製になっています。
で、今回問題となったのがアルミ製フライホイールが使われている250で、オーナーさんに聞くと走り出して20Kmくらいで止まってしまい、その後またしばらくすると動き出して帰ってこれるというものでした。
詳しくお話をお聞きすると何個かバッテリーを替えてみたけどダメなんだ、というお話でしたので発電系(充電系)がおかしいと思われますが、実際に見てみないとどこか悪いかわからないので、新潟県外より新潟市内まで運んでいただきました。

バッテリー電圧は6.2Vありましたがエンジン吹かしてもこれ以上は上がらず、、、、。(涙)
さっそくバッテリーチェッカーを掛けましたが、6.2Vあります。多少弱ってるとしてもエンジンは掛かります。(このバイクはバッテリー点火)
問題はエンジン掛けた時にどうなんだ?って事になりますが、エンジン掛けてアクセル煽っても7Vを超えることはありません。これだと充電はされずにバッテリーの電気を消耗するだけです。(電気は電圧の高い方から低い方に流れます)
そこでまず疑ったのはレギュレーターです。予備の6Vレギュレーターを付けてみましたが発電電圧は変わりません。ということはレギュレーターはシロとなります。
次にオルタネーターからレギュレーターに入る線の交流電圧を測りましたが、どうも低い感じです。
念のためオルタネーターのステーターコイルからレギュレーターまでのキャブタイヤコードの抵抗値を測りました。断線や腐食が考えられましたが、これは問題ありませんでした。
となると残るはオルタネーター自身が原因と考えられます。

プライマリードライブギアが固く嵌ってる場合は薄刃のギアプーラーを使うと無理なく外せます。
左側のプライマリーカバーを外し、クラッチを分解しアウターハウジングを外します。
その後、プライマリードライブギアを外します。
今回は固く嵌っていたので薄刃のギアプーラーを使って外します。これを使うとクランクシャフトのキー溝を傷めることが無いのでオススメです。

純正特殊工具のフライホイールプーラーです。
フライホイールは純正特殊工具のフライホイールプーラーを使って外します。
デカい押しボルトを締めていきますが、外れる瞬間にバキンみたいな大きな音がするので毎回心臓によくありません(涙)

フライホイールを外したところ。ステーターコイルが見えます。
ここまでは順調です。念のためステーターコイルも外してみます。

コイルの端子からレギュレーターに入る線の抵抗値を測ってます。
ステーターコイルの出力線のキャブタイヤケーブルの抵抗値を3本とも測りましたが、いずれも問題ありません。また銅線の腐食もありません。そうなるとフライホイール自体が怪しいという結論になります。
古いフライホイールの最磁(着磁)ができればいのですが、日本国内では聞いたことがありません。ベスパ用フライホイールに対応してくれるお店はあるようですが、ドカシングル用はどうなんでしょ?もしご存じの方がいらっしゃいましたら教えてください。よろしくお願いいたします。
残念ながら新しいフライホイールは在庫ありませんし、最磁もできません。
そこで対案として350、450用の真鍮製フライホイールを使うことにしました。
これはたまたま在庫として持っていたもので、鉄板をくっつけてみると元のアルミ製よりバチっとくっつきます。これなら発電は大丈夫でしょう。

真鍮製フライホイールを組付けたところ。
真鍮製フライホイールを組付け、続いてクラッチ廻りを組み立てます。
この辺は何度やったかわからないくらいやってるのでパタパタと片付けていきます。
プライマリーカバーやキックペダルも取付け、エンジン始動を行います。
果たしてどうなるのか?発電電圧は改善したのか?見てみましょう。

アクセルを少し開けた状態での電圧です。7.02V出てます。合格!
エンジンを掛けアクセルを少し開けた状態の出力電圧を測ってみます。
無事7.02V出てます。合格!です。
これであれば安心してツーリングを楽しんでもらえます。
アルミ製も真鍮製も同形状なので入替えが可能なのですが、実際は重量が1Kgほど違います。これがどのように影響してくるのか、例えば吹け上がりが重くなる?とかあるのかもしれません。
それについてはオーナーさんからのレポートを待つことにします。
今回は運のよかった事にたまたま真鍮製の在庫がありましたが、これで最後なので今後は難しくなると思われます。なのでいっそ海外製の12V化キットを入れた方がいいかもしれません。
6Vバッテリー(B38-6A)もまだ入手できるとは言え高い物ですし、12V化キットならすぐ手に入る黒いMFバッテリーも使えるのでコストは抑えられます。
もし今回のような症状が出ているとしたら12化キットの導入をお勧めします。
ぜひご検討ください。
長文にお付き合いいただきありがとうございました。
追伸:ナローケースの場合、バッテリー点火車は250、350共にアルミ製ですが、フラマグ点火は真鍮製です。(フラマグは2本コイルの4極ステーター)初期の100や125などのスモールケースもアルミ製です。(こちらも2本コイルの4極ステーター)
350Ventoや250Staradaなどのモトトランス系(スペイン製)もアルミ製でした。(モトプラット社製)
ご参考にしていただければ嬉しいです。
































